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大阪高等裁判所 昭和24年(を)4080号 判決

被告人

林寿聖

主文

本件控訴は之を棄却する。

当審の訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人の控訴趣意第三点について。

原判示によれば、被告人は食糧配給公団八幡代位配給所において自己の飯場に実在する人数を偽り恰も二十八名実在する如く装い、同所係員を誤信させ主食の配給を受けたもので、右は畢竟被告人が真実を告知するに於ては縦令相当対価を提供するも相手方が財物を交付せざるべき場合に於て敢て真実に反する事実を告知して相手方を錯誤に陥れ、因て財物の交付を受くるに至つたものに外ならないから詐欺罪を構成すること疑なく、被告人が弁護人所論の如く対価として相当金員を交付し相手方に損害がなかつたにしても同罪の成否に関係がない。

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